米三冠シリーズ最終戦のGIベルモントステークス(3歳、ダート2400m)が現地6月10日にアメリカ合衆国のベルモントパーク競馬場で行われ、5番人気のアルカンジェロが先頭から2馬身余りの位置をキープすると、直線入口では最内から抜け出して1番人気フォルテらの追撃を振り切った(1馬身1/2差)。
二冠目のプリークネスステークスを制したナショナルトレジャー(4番人気)がレースを先導し、5馬身少々の圏内に出走9頭が固まって向正面を流す。アルカンジェロは内ラチ沿いの中団に収まると、2、3番手で並走する8番人気タピットシューズと6番人気ヒットショーの間から進出を開始した。
2番手に上がったアルカンジェロは最終コーナーに向かってナショナルトレジャーの内へ。手応え良くかわしにかかるとナショナルトレジャーも応戦したが、アルカンジェロが振り切って抜け出し、最後の1ハロンで3馬身ほどのリードを築く。後ろからは4頭が並ぶように押し寄せてきたが、一杯になりながらも押し切った。
2歳王者フォルテは向正面でアルカンジェロの1馬身後ろにいたものの、第3コーナーからペースが上がると後れを取り、最終コーナーでは5馬身ほどのビハインド。直線では大外からしぶとく追い上げたが、タピットトライスを捕らえてハナ差の2着が精一杯だった。さらに3/4馬身差の4着はヒットショーと2番人気エンジェルオブエンパイアが同着で分け合った。
アルカンジェロはJ.アントヌッチ調教師が管理するアロゲート産駒で、祖母の弟にジャジル(2006年)、妹にラグズトゥリッチズ(2007年)がいるベルモントSに縁の深いファミリーの出身。5月13日にベルモントSの前哨戦に当たるGIIIピーターパンステークスで重賞初挑戦、初制覇を飾り、3月18日の初白星から3連勝でのGI制覇となった。早世したアロゲートも産駒による米クラシック初勝利としている。
また、殿堂入り騎手のJ.カステリャーノは、メイジを勝利に導いたケンタッキーダービーに続きベルモントSも初勝利で、これにより三冠戦の完全制覇を達成。47歳のアントヌッチ師は女性調教師として三冠戦の史上初制覇を成し遂げ、ニューヨーク州競馬協会の公式サイトは「彼のひたむきさ、ハートには一生、恩に着るわね。彼がいれば毎日起きられるというものよ。正直、ここ何日はあまり寝てないの。本当にありがたいわ」と喜びにあふれる声を紹介している。
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