G1ダービー（3歳牡・牝、芝2420m）が2024年6月1日にイギリスのエプソム競馬場で行われ、R.ムーア騎乗の1番人気シティオブトロイが中団の後ろ寄りから直線で馬群の中を抜けると、追いすがる2番人気のアンビエンテフレンドリーに2馬身3/4差をつけて完勝した。
ユーフォリックとロスアンゼルス（3番人気タイ）のA.オブライエン勢が気合いをつけられて先行するも、ゲートで躓き騎手を振り落としたヴォイッジがカラ馬となって絡む。アンビエンテフレンドリーがオブライエン勢から2列後ろの中団につけ、エインシャントウィズダム（3番人気タイ）が外で並走。ベラムジャスタムとシティオブトロイが背後でマークするように追走し、仏2000ギニーで2着のダンシングジェミナイは最後方付近から追い掛けた。
勝負所のタッテナムコーナーが終わりに近づくと馬群が凝縮しはじめ、アンビエンテフレンドリーは先行勢の外へ。その内に開いたスペースからシティオブトロイが巧みに進出し、先行する僚友たちの間から残り2ハロン付近で抜け出す。先頭のカラ馬が気になるところだったが、ムーア騎手はシティオブトロイの勝負根性を引き出すように追い掛ける位置に入れ、そのままアンビエンテフレンドリーの追撃も振り切った。さらに3馬身1/4差の3着にはロスアンゼルスが粘り込んでいる。
オブライエン調教師が管理するジャスティファイ産駒のシティオブトロイは、前走の英2000ギニーで1番人気を大きく裏切って9着に大敗。しかし、2000ギニーで12着に惨敗した昨年のオーギュストロダンと同様に巻き返してダービー制覇を成し遂げ、2度目のG1制覇（重賞3勝目）を飾った。オブライエン師とムーア騎手は英ダービー連覇で、オブライエン師は自身の持つ記録を更新する10勝目、ムーア騎手は4勝目としている。
英競馬メディア『racingtv.com』などは、レース後にオブライエン師のコメントを報道。同師はムーア騎手の騎乗を称賛するとともに「（英2000）ギニーは完全に誤りで私は彼の調教をミスした。それが結論だよ。石の裏まで見ていなかったということさ。彼はフレッシュすぎて準備ができておらず自滅した。それが現実だね」「しかし、我々はそれから学び、彼の能力も解った。あれからは全てが上手くいったよ」と、巻き返しに揺るぎない自信があったことをうかがわせている。
そして、これまで育ててきたダービー馬たちの比較において「間違いなく一番さ！」「なぜなら彼には巡航力、バランス、俊敏性、距離の耐性がある。何ら疑いはない」とシティオブトロイを最大級に評価した。
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